神道

〇神道

神道は、日本民族の古来の自然信仰を基礎としており、神秘で畏敬の念を抱かせるものを広く神として信仰の対象としてきました。したがって、神社にはさまざまなものが神として祀られていて、「八百万の神」と言われるほど多彩です。自然発生的に生まれた信仰で、遅くても弥生時代に原初的な形をとり、古墳時代に民俗宗教としての形態を整えたと思われます。

「神道」という語は、「日本書紀」(8世紀)に初めて現れますが、これは外来宗教である「仏法」(=仏教)への対語として在来の民族宗教を自覚してのものでした。

現在教団として活動しているものには、①神社を中心とした「神社神道」と②江戸時代後期以降に誕生した「教派神道」とに分かれます。この他、宗教団体を結成しない、家庭や個人の「では民族神道」を加える考え方もあります。

 

〇神社神道

神社をしばしば「氏神」ということがありますが、神社は必ずしもある家系に特有の神を祀っていたわけではありません。近世以降は地域を守護する鎮守の神、産土の神を意味し、「明治初期には、全国の神社の数は、旧村落の大字村の数18万余に近かった」(文化庁「宗教年鑑」)と言われるほど、地域共同体と密接な結びつきがありました。今、神道の信者である「氏子」の数の合計が日本人の総人口とほぼ等しいのは、各神社がそのエリアに住む人々を全て「氏子」とみなして計算しているからです。

神社が教団のような形態をとったのは国家の管理を離れた1946(昭和21)年以降のことです。

神社神道の宗教教団で最大のものは、大日本神〇会、皇典講究所、神宮奉斎会の民間3団体が中心になって結成された神社本庁です。約8万の神社のうち99.6%が神社本庁に加盟しています。

この他、近畿を中心とした神社本教、広島を中心とした神社産土教、北海道の北海道神社協会、御嶽神社中心の木曽御嶽本教、石鎚本教など合計16の宗教団体があります。

〇教派神道

教派神道とは「神道的宗教伝統の中から特定の組織者・創唱者を中心とし、彼らの教説や宗教体験に従う信者からなる組織宗教」(文化庁「宗教年鑑」)で、江戸時代末期以降、民衆自体が教団組織を形成してきました。

明治時代に公認されたのは「神道教派十三派」と言われるものです。黒住教、神道修成派、出雲大社教、実行教、神道大成教、神習教、扶桑教、御嶽教、神理教、禊、金光教、天理教(現在では教派神道系を抜け諸教に分類)、神道大教の13で、現在は主としてこれらの宗教団体の系譜を引くものを教派神道に分類しています。

教派神道、その誕生の由来から次のように5つに分類されます。

1.山岳信仰派(山岳信仰、山岳修行を重視する宗教団体)

富士山信仰の富士講の系譜の実行教、扶桑教、丸山教、富士教、富士本教など、また、木曽御嶽山信仰の御嶽講社の系譜の御嶽教、御嶽教修正派、御嶽山曽間本教、御嶽山大教、いのちの会など。

2.純教祖系(教祖の宗教体験に基づく教えを中心にした宗教団体)

黒住教(黒住宗忠)、金光教(金光大神)、大本(出口なお、出口王仁三郎)、天理教(中山みき)系譜の大道教、世界心道教など。

①黒住教

黒住忠宗(1780~1850)が1814年、「天命直授」と呼ばれる宗教的回心を経験し布教活動を始めたのが最初。一人一人に宗教的覚醒を求めることに特徴があります。

②金光教

金光大神(1814~1883)により幕末期に作られた民衆宗教で、「とりつぎ共同体」である教会を中心に布教活動を行っています。「とりつぎ」は神の人類救済の願いを人に伝え、人の儀を神に祈る救済行為であり、課程とされます。

③大本

出口なお(1836~1918)のお筆先と娘婿の出口王仁三郎(1871~1948)による教義化、組織化という2大教祖を両輪として布教を本格化しました。大正・昭和と2度の弾圧を受けました。

3.禊系(禊ぎによる心身の鍛錬を強調する宗教団体)

禊教、神習教など。

4.儒教系(儒教と復古神道の要素を融合している宗教団体)

神道修正派、神道大成教、またこの系譜の修験道教、天地教など。

5.復古神道系(国学、復古神道の影響を強く受けた宗教団体)

出雲大社教、神理教、神道大教など。

 

松戸市 葬儀
松戸市斎場での御葬儀・お葬式や家族葬を
お考えの方はご相談下さい。
お葬式の費用、家族葬の費用
お問合せ 0120-098-940


社葬の企画書(ベース)

○マニュアルの必要性

社葬・団体葬といった大型葬の施行においてマニュアル作成は必須条件となります。

1.発注先の企業。団体との共同作業になるので、相互の意思確認のため

2.多数の人間が動くので、それぞれの役割の明確化と全体の流れの理解のため

3.まちがいを発生させないため

4.仮に事故などが発生したときの対処のため

5.詳細な内容を示すことのよって発注先企業・団体の信頼と安心を得るため

 

○マニュアル作りが企画のプロセス

葬儀施行マニュアルを作るということは、葬儀施行の企画のプロセスそのものです。話し合った内容は紙に記録して、その内容に齟齬がないかを記録上で確認する必要があります。 当該企業においても、打ち合わせ担当者に必ずしも全権が与えられているわけでなく、上に了承を得る必要がでてくるため、口頭だけでなく紙の上に表現することが必要です。

企画は①方針、②全体概要、③詳細な内容の3つに分かれます。

 

○方針

当該企業の社葬に臨む方針が基本となります。大きくは次の6点に分かれます。

1.規模

①予算

②参列者数

③一般会葬者数(予測)

2.内容

①宗教形態(何の宗教に則るか、または、宗教儀礼抜きか)

②葬儀形式(葬儀式+告別式、告別式のみ、追悼会、お別れ会、その他)

③展開形式(ビデオなどを用いるか、音楽をどう使うか、など)

④設営形態(外飾り、祭壇、会場内、など)

⑤遺族、来賓の扱い方

⑥弔辞

3.性格

①基本性格(故人顕彰、企業としての感謝、遺族への慰め中心、などのうちどれをポイントにするか)

②外見(地味に、華やかに、その他)

③その他

4.主要事項

①名称(故人の肩書、名前、葬儀名)

②日時(いつ頃行うか、何時間程度か)

③場所(会社内、斎場、ホール、自宅、ホテル)

④死亡広告等の案内告知方法

⑤供花、香典の扱い

⑥会葬返礼品の扱い

5.体制

①葬儀委員長

②実行委員長

③企業側と施行側の業務の分担

④代理店等の関与

6.その他

①マスコミへの対処法

②その他

 

→方針サンプル部分は別ファイル

→概要と詳細な内容のサンプル部分は別ファイル

 

 

〇マニュアル印刷上の注意

❶大きさは統一する。

A4判に統一した場合、図画で大きいものはB4判(またはA3判)として折りこむ。

❷右開き横組が使いやすい。

図画の連続性を考えると横組も使用しやすい。

❸文字は大きめがよい。

❹修正を簡易に行うためにパソコンで自社作成し、印刷はコピーにする。

❺項目ごとにページを改める。

連続していると見にくいため、多少ページ数は増えても項目ごとにページを改める。

❻図面は1ページに1つを原則とする。

複数の図面があるとかえって見にくくなります。図面ごとに別ページにすれば差し替えが容易です。全体との関連が必要なときは、全体図を1枚つけておくとよいでしょう。

❼修正したときは全部を取り替える。

常に最新版をまとまりとして用意して全部を取り替えるようにします。更新を忘れたり古いものを使用しないよう、表紙に作成・更新日を記入して最新版を確認できるようにしておきます。

❽名前・難しい文字には必ずフリガナをつける。

 

*全体概要は相手企業に提出しますが、遺族と直接連絡がとれる場合は、相手企業の了承を得て事前に遺族側の希望も伺ったうえで作成するのが望ましい。

 

〇進行台本

❶シーン(弔辞、葬儀委員長式辞)ごとにページを改める。

❷シーンごとに時間とタイトルを記入する。

❸中は3つに区分して時間軸を合わせておく。

①主要動作(全体の4分の1大)

②アナウンスおよび主要シーン(全体の2分の1大)

③照明・音楽など演出動作(全体の4分の1大)

*BGMなど始点と終点を線で表現するとよい。

❹動作図などは挟み込みがよい。

台本に図を記入すると窮屈になるため、動作図は別紙で起こし、当該ページに挟み込みにする。

❺名前、難しい文字には必ずフリガナをつける。

(フリガナのミスは許されないので二重、三重にチェックする。)

❻アナウンス部分の文字は手元明かりの関係もあり、大きめがよい。

❼全体概要が1冊のマニュアルとして完成していれば、進行台本は式以外の部分は削除して式動作を中心としたものでもよい。(進行台本段階での修正は全体概要も修正しておく。)

❽製本形式は、ファイルへの挟み込み方式にしておくと、全体概要の必要部分をそれぞれ綴じ込めるので便利。

 

〇作業マニュアル

施行マニュアルは施行を十全に行うためのものですから、相手企業に提出するものだけでなく、施行業者が独自に行う部分についても必要になります。これが「作業マニュアル」です。これについてもきちんと作成して、作業の完璧を期したいものです。施行マニュアルとの関連で各現場責任者が作業指示書を作成し、全体との矛盾がないかを責任者が確認する必要があります。

 

松戸市 葬儀
松戸市斎場での御葬儀・お葬式や家族葬を
お考えの方はご相談下さい。
お葬式の費用、家族葬の費用
お問合せ 0120-098-940


社葬の知識

社葬(団体葬)は、企業(団体)が葬儀費用を負担するものですから、どの範囲を負担するか、そのケースについて役員会で取扱規定を決めておき、葬儀の都度これを役員会で決定し議事録に残します。

一般的には会社への貢献度により次のような規定が作られています。

1.死亡時より社葬終了時までの費用を負担する。(但し、戒名を対象とする布施を除く)

〔例〕会長・社長(退職後5年以内含む)、専務・常務(現職)

2.社葬当日の費用を負担する。(但し、布施など宗教儀礼に関する費用を除く)

〔例〕現職の役員、退職後3年以内の専務・常務、退職後8年以内の会長・社長

3.個人葬の費用のうち通夜接待費、火葬費、布施など宗教儀礼に関する費用を除いたものを負担する。

〔例〕功労のある社員で役員会が認めた者

※1.のケースで一切の費用を会社が負担するとあっても、一般的に死亡時の病院への支払い、授戒(戒名)に対するお布施、火葬費用は遺族の負担とするほうがよいでしょう。(戒名はあくまで個人に与えられるものですから、これに対するお布施は個人負担が妥当だとされています。)

 

〇お布施と領収書

社葬における宗教者への支出を企業の負担とする場合、企業にとっては領収書がほしいところですが、「お布施」は読経や葬儀執行への対価ではないので、お布施への領収書は出ないものとの理解があります。しかし、税法上は宗教法人の入金になるものですから、要請すれば領収書を発行してくれる寺院もあります。

 

〇社葬での香典の扱い

社葬は本来その費用を企業が負担するということですから、社葬で香典を受け取る場合には企業ではなく、喪家が受け取ります。香典は故人への弔意の表明という意味ですから、社葬であっても遺族が受け取るのが本来です。これに対するお礼は遺族の負担で行います。

死亡直後の個人葬では遺族が香典を受け取り、その後に行われる社葬では香典を辞退するという形態も見られますが、「社葬だから香典を辞退する」と決まっているわけではありません。会葬者が故人への弔意を表明したいとするのは自然なことですので、会計上の処理を明確にすれば問題ありません。

 

〇社葬での供花の扱い

近年、供花としては生花が多く用いられています。花環(関西では樒)は、地方では使用されていますが、全国的には場所的制約もあって減少する傾向にあります。社葬の場合には香典同様に辞退する傾向も見られますが、供花は現金ではないので入金上の問題は生じません。辞退するのは、並べ順で問題が生じかねないことや、社葬には会社が責任をもつという姿勢の現れからでしょう。

供花を受け付ける場合、その名札は芳名板に一括表示する方法が増える傾向にあります。最近では生花祭壇が増えたことから、名札付きでは祭壇全体のデザインを壊すおそれがあるという理由もあって芳名板方式が好まれるようです。並べ順で問題が生じないようにと、一括アイウエオ順に供花者名を掲示する方法がとられます。また名札付きの場合でも、正面の祭壇両側は避けて、式場の側面や入口付近に配置することが多くなってきています。

 

〇社葬の場合の社員の服装

社葬(団体葬)における当該企業(団体)の役員、社員の服装は、一般には葬儀委員長はモーニング、その他は略礼装(黒)となります。案内係などは役を示す腕章などを巻いて、一般の会葬者と一見して区別できるようにするのが望ましいでしょう。「お別れ会」方式の場合には、平服が一般的です。

 

〇他の会社の社葬に参列するときの服装

略礼服(黒)が一般的ですが、会葬者の側は遺族側と違って喪に服しているわけではないので、平服でもかまいません。喪服の用意がないからと略式に喪章をつける場合がありますが、本来は遺族側がつけるものですから参列する側は避けるのが賢明です。

 

〇参列者と一般会葬者の識別方法

参列者(葬儀式に式場に着席して参加する人)と一般会葬者の識別は、受付に参列者を識別できる当該企業の幹部を配しておきます。準備期間がある場合には、葬儀に参列していただく方には事前にカードをお渡しして、受付で指示していただくようにすると識別がスムーズです。また、受付には参列者名簿を供えておきます。受付を「葬儀式参列者受付」と「告別式会葬者受付」とに分けておく方法もあります。

 

〇社葬の葬儀委員長

社葬における葬儀委員長とは、社葬の代表責任者を表し、施主の役割をすると考えるのが最も妥当と思われます。一般に、現役の社長が亡くなった場合には後継する役員(専務が後継社長と決まっていればその専務)が務めます。中小企業などでは会長が亡くなった場合、その息子が現役社長というケースがあります。この場合には息子である社長を喪主、専務など他の役員から選んだ1名を葬儀委員長とするのが基本です。

 

〇社葬の組織編成

①葬儀委員

一般に役員がなり社葬の方針を定めます。葬儀当日は立礼(出口などで会葬者へのお礼をすること)を務めます。

②実行委員会(事務局)

葬儀委員の定める方針に従い、企画を立て準備の中枢となると共に、葬儀当日は司令部の役割を担います。コンセンサスを得やすいように人数はあまり多くなく5名前後、実行力のある中堅幹部を中心に組織します。

③広報係

連絡・通知文書、死亡広告の作成、プログラムやパンフレットの作成、マスコミ対応を行います。

④記録係

文書による記録のほか、写真やビデオによる記録を担当します。

⑤進行係

進行手順を管理します。

⑥受付係

受付業務を行います。来賓の識別などができるように幹部も配するとよいでしょう。

⑦案内係

式場内外の案内をします。

⑧接待係

来賓、親族、僧侶(宗教者)の接待を担当します。

⑨携帯品係

携帯品の一時預かりをします。

⑩式典係

献花などの式典の補助を行います。

⑪駐車・配車係

駐車場や配車の管理を行います。

⑫会計係

調達品等の会計その他を行います。

このほか、会葬後に会葬御礼品(粗供養)を渡すのであれば会葬返礼品係など、必要に応じて編成する必要があります。広報係と記録係を兼ねることもあるでしょう。このような組織編成については、非常時における全社的編成ですから、事前にマニュアル化しておくようアドバイスしておきたいものです。

〇社葬の日程の組み方

死後直後に行うケースと、日をおいて行うケースとがあります。日をおいて行うケースでは、死後直後にまず個人葬として行い、2度目の葬儀として社葬を行うことが多いようです。こちらは「社葬」とは言うものの、その実態は「告別式」あるいは「追悼式」になりますので、1ヶ月後の月命日、あるいは三十五日や四十九日に合わせて行うのも一つの考えです。近親者だけで火葬を済ませるいわゆる密葬方式をとれば、一応の準備・連絡がとれる1~2週間後あたりに骨葬形式での葬儀を設定できます。また、遺体をエンバーミング(遺体衛生保全処置)して防腐処置を施せば、遺体のままでも2週間程度の余裕が生まれます。

連絡については予め連絡先をリストアップしておくことが望ましいのですが、全てにいきわたらないこともあり、新聞の死亡記事や死亡広告の利用も考えられます。

〇社葬の宗教儀式

社葬では宗教儀礼の形をとるか否かは、本人の信仰した宗教に則り葬儀を営むか、公的なものから宗教によらないで営むか、という考え方の問題になります。社葬が1回目の葬儀として営まれるか、2回目かということも判断の要素になりますが、1回目であれば、死者本人の信仰に基づいて営まれるのが正当で、仮に故人が神道の信者であれば神葬祭になります。あくまで故人を弔うことが目的ですから、故人の宗旨は尊重したいものです。一方、2回目であれば、宗教儀礼を行わない、特定の宗教によらない方式も考えられます。これは会葬者を中心に据え、会葬者の信仰は多種多様であるのでこれを尊重するという考えからのことでしょう。

〇葬儀式と告別式

社葬では葬儀式と告別式を分けなければいけないというものではありません。しかし、会場が狭い場合には、葬儀式の部分と告別式の部分とを分けないと現実には難しいでしょう。また、宗教儀式としてきちんと葬儀式を営むのであれば分離するのが適当です。

〇焼香か献花か

告別の方式も、焼香か献花かどちらが適当ということではありません。全体を宗教儀式として行うのであれば、それぞれの宗教宗派に則ったお別れの方式をとるのが自然でしょう。キリスト教のカトリックでも焼香を献花と共に認めていることからわかるように、焼香=仏教ではありません。会葬者の数が読めないときには、献花よりも焼香のほうが合理的ではあります。

〇社葬のコンセプト

社葬は会社の責任で行う葬儀ですから、その姿勢が表れるところとなります。故人を会社としてどのように遇するかを外部に表すのですから、その姿勢をまず会社としてはっきりさせる必要があります。

❶生前に故人がお世話になったことへの感謝の表明

企業の人間として故人が、生前にさまざまな方にさまざまな形でお世話になったわけ

ですから、社葬という形で企業としてお世話になった方へのお礼をするということです。

❷故人の追悼

また、企業として、故人の会社への貢献に感謝するということです。故人の思い出や業

績を偲びます。

❸新しい関係づけ

「故人が亡き後も、会社をよろしくお願いします」と参列者、会葬者の方々にお願いすることです。

この3点を基本に、会社らしさや故人の人となりが現れる形で行うのが望ましい社葬のあり方であると思います。

〇遺族への配慮

社葬でトラブルが起こる可能性があるのは、遺族との関係においてです。あくまで社葬だからと遺族を無視して事を進めると、心理的な確執が生じる可能性があります。主体は会社にあるものの、遺族の意向も確かめて、あるいは決まったことをまめに報告して、けっして遺族を疎外しないよう注意する必要があります。

〇トップの了承

社葬の実際の準備や運営は実行委員会を中心に進めることになりますが、最初の方針決定や準備途中で重要なことは、会社のトップの方針を確認しながら進める必要があります。

社葬はあくまで会社の行事ですので、会社のトップの関心は当然のことながら大きなものがあります。担当者がよかれと思って独断で進めるのは危険です。祭壇のデザインはもとより、弔辞をお願いする人、指名焼香する場合にはその順番に至るまで、企画の都度にトップの了承を得る必要があります。

葬祭業者にすれば、打合せは実行委員会メンバーと行うケースがほとんどです。しかし、そこが最終決定機関でないことを頭に入れ、企画書の形にして、常に後で当該企業が社内で検討できる形にして提出しておくことが必要です。

松戸市 葬儀
松戸市斎場での御葬儀・お葬式や家族葬を
お考えの方はご相談下さい。
お葬式の費用、家族葬の費用
お問合せ 0120-098-940


社葬の位置づけ

〇社葬(団体葬)とは

「社葬」「団体葬」とは規模の概念ではなく、運営の責任を負うのが企業(団体)であればそれが「社葬(団体葬)」です。たとえ小規模の葬儀であっても企業が葬儀費用を負担して行う場合は社葬となります。つまり、「個人葬」と「社葬」の区別は、費用負担および運営の主体が個人(遺族)であれば個人葬で、それが会社(団体)であれば社葬(団体葬)となります。社葬には大型の葬儀が多く、準備期間が必要ですから、死亡直後には遺族中心の個人葬を営み、2~4週間後に改めて社葬を行うことがあります。この場合、亡くなった直後の葬儀の費用を企業が負担し、実質は社葬でありながら、名目上は遺族が出す個人葬とすることもあります。また、中小企業のオーナーが亡くなった場合には、費用を遺族が負担し、運営は企業が責任をもつ「社葬」が行われることがあります。これは、葬儀費用が相続財産から控除されるので、費用は会社ではなく遺族が負担するほうが有利という判断から行われるもので、こういった名目的な社葬もあります。

2000年代になって特に増えてきたのが「合同葬」と「お別れ会」方式の社葬です。一般に「合同葬」方式は死亡後1週間程度以内に個人葬と社葬とが合同で行われ、「お別れ会」方式は個人葬を済ませた後に別個に行われる傾向にあります。企業(団体)が運営および費用の負担を行うのであれば、名称は変化しても社葬(団体葬)です。

〇「喪主」と「施主」

「喪主」は祭祀を執り行う者、または祭祀権の承継者のことで、遺族の代表者をさします。これに対し「施主」は「布施する主」を意味した言葉で、葬儀費用を負担し、葬儀を運営する責任者のことです。

社葬では企業が費用を負担し、運営の責任をもつのですから、施主は企業ということになります。個人葬の場合には一般的に喪主=施主ですが、社葬の場合には異なります。

〇「密葬」と「本葬」

本来「密葬」は近親者だけで葬儀を行い、広く告知や案内を行わない葬儀のことです。ですから、密葬には葬儀式はあっても告別式はありません。

社会的影響力のある人が亡くなった場合には準備や告知の必要から、死亡直後には近親者だけで密葬を行い、後日に告知や案内をして葬儀を行うことがありますが、この葬儀を「本葬」と言います。しかし、実際には「密葬」と言いながらも告知することがあり、この場合に「密葬」と呼ぶことは本来の意味からは適当ではありません。「個人葬」~「社葬(団体葬)」としたほうが誤解が少ないように思います。

〇「合同葬」とは

葬儀費用および運営の負担が複数の企業または団体によって行われる葬儀が「合同葬」です。例えば故人が○○会社の社長であり、かつ△△協会の会長であったとします。○○会社と△△協会が共に葬儀費用と運営の負担をして行う葬儀は「合同葬」になり、「○○会社と△△協会の合同葬」と呼びます。

近年特に増えてきた形式に遺族と会社の合同葬があります。「合同葬」は遺族(個人)のなす葬儀と企業(団体)が行う葬儀とを一緒に行うケースです。この場合、その費用と運営の責任が企業(団体)にあれば実質は社葬(団体葬)ということができます。「○○家、○○会社合同葬」と表示されます。

〇葬儀全体の中での社葬の位置づけ

死亡直後の個人葬(密葬)と区別して本葬として行う社葬(または最近流行の「お別れ会」)

は、まさに会社の行事として行うもので、「社会的な死の確認儀礼(告別式)」を独立させたものと理解することができます。僧侶による引導などの宗教儀礼はすでに個人葬における葬儀式でなされているのが普通ですから、本来は社葬全体が告別式であると考えるのが合理的です。こうした意味からいえば社葬を「お別れ会」という名称で行うのはおかしいことではありません。(「お別れ会」は社葬に限った概念ではなく、葬儀式と告別式を別個運営する場合のことです。無宗教というよりは宗教儀礼を伴わない形態の告別機能に重点を置いたものと言うことができます。)

〇社葬(団体葬)の一般的な進行

※個人葬がすでに営まれていることを前提にします。

❶遺骨の出迎え

遺族が式場に遺骨を抱いて入場するのを社員が出迎えます。

❷参列者入場

参列者を式場に案内します。

❸式典

一般に「葬儀式」と呼ばれるものです。法要や式典が行われます。

❹告別式

一般会葬者による焼香(献花)が行われます。

❺社員への挨拶

運営を手伝ってくれた社員へ葬儀委員長や遺族代表から挨拶が行われます。

❻遺骨退場

遺族に抱かれた遺骨が式場から退出するのを社員で見送ります。

〇「お別れ会」方式

1.宗教儀礼を伴わない。

2.形式ばらない自由な運営。

3.故人との別れ、遺族の悲しみへの共感を主体とする。

松戸市 葬儀
松戸市斎場での御葬儀・お葬式や家族葬を
お考えの方はご相談下さい。
お葬式の費用、家族葬の費用
お問合せ 0120-098-940


グリーフワーク

〇グリーフワークとは

「グリーフワーク」は葬儀の機能として近年注目されているものです。愛する家族の一員を喪った家族は、悲しみに襲われます。これは特別なことでも病気でもなく、自然なことです。この悲しみは悲しむことにより自然に治癒されていきます。この遺族の悲しみの営みを「グリーフワーク」と呼びます。

グリーフワークは直訳すると「悲しむ作業」です。グリーフは英語で、通常の悲しみとは別の、特に死別などで引き起こされる深い悲しみ、非嘆を表す言葉です。

葬儀は、遺族の心の深い悲しみを思いやり、グリーフワークに役立つものとなることが大切です。このためには死別によって引き起こされる悲しみとはどんなものかを知る必要があります。

〇死別の非嘆の様々な局面

亡くなる人と深い愛情関係に結ばれていた家族、あるいは、突然の死に出会った家族が、死と対面してたどる心理的プロセスは次のように理解されます。

※以下は、E・キューブラー・ロス『死ぬ瞬間』により、死を告知された末期患者の心理プロセスの骨格を参考にしながら、野田正彰『喪の途上にて』、A・デーケン『死とどう向き合うか』などを参照にしてまとめたものです。

〔第1段階  衝撃〕

ショックを受けて取り乱す人、あるいは、ショックによって現実感覚が一時麻痺状態に陥る人がいます。表面的には平静ですが、内面ではショックを受けており、平静状態と呆然状態が交互に現れる例もあります。

〔第2段階  否認〕

死亡の事実そのものを認めず、きっとどこかに生きていると思いこんでいたり、あるいは、死亡の事実は一応客観的に認識してはいたりするものの、主観的にはまだ生きているという思いが行き来している状態です。

〔第3段階  パニックや怒り〕

自分が制御できなくなりパニック状態に陥ったり、あるいは理不尽で不当な運命に対して激しい怒りが生じたりします。この怒りを制御したり、内にとどめておくと、怒りは反転して自分に向かい、自己破滅に陥ったり、心身の健康を損なったりする危険性があります。

また、周囲の人々や死者に対して敵意の感情を抱いたり、心身の健康を損なったりする危険性があります。

また、周囲の人々や死者に対して敵意の感情を抱いたり、死者に対する自分の過去の行為を悔い、「あんなことしなければよかった」「ああすればよかった」と罪の意識に苛まれたりすることがあります。

〔第4段階  抑鬱と精神的混乱〕

空想の中で死者がまだ生きていると思い込んで、そのように実生活でも振る舞ったり、孤独感に襲われて人間嫌いになったり、気が沈んで引きこもってしまったりします。また、やる気を失い、何をしていいかわからない状態になることがあります。この抑鬱状態はしばしば長く続きます。

〔第5段階  死別の受容〕

つらい現実をみつめ、死の事実を受け入れようとし、ユーモアや笑いを取り戻すことにより、悲しみから立ち上がる状態です。

もちろん、全ての人がこれらの段階をそのまま辿るとは決まっていません。また、言葉で「悲しみ」と表現しても、死別の悲しみの表れ方は多様です。しかもこれは死別に出会った人が陥る自然な心理状態であって、けっして病気ではないということを理解する必要があります。

人の死とは、愛する人にとって心を揺り動かすほどの大変なできごとなのです。

〇悲嘆の処理に失敗する危険

多くの人は葬儀、四十九日、百ヵ日、一周忌という喪のステージ(段階、場面)を踏むにつれて、悲しみの状態を乗り越えて、日常生活に復帰できる状態になります。かつての喪のステージは、死別した遺族の心情に合致したからこそ受け入れられたシステムだったと言えるかもしれません。

しかし、全ての人がこうした辛い悲しみの過程(=グリーフプロセス)を無事通過できるとは、限りません。悲しみを無理に抑制することにより、心身に異常を来して心身症に陥ったり、いつまでも悲しみの状態にとどまったり、あるいは自己破壊から自殺衝動に走ったりする危険性があります。

その徴候は、悲しみ、怒り、敵意を表現しなかったり、異常な科目状態に陥ったり、重篤な睡眠障害に陥ったり、自尊心が失われたり、罪意識をもつ対象が死者以外のものにまで広がったりすることに現れます。こうした状態に陥った場合、精神科医などの専門家の診療を受ける必要があります。

〇死別の非嘆のケア(グリーフケア)

死別によって強い悲嘆に陥っている人へのケア(=グリーフケア)の仕方にマニュアルはありません。個別状況の違いが大きいのです。そのことを理解したうえで次の原則を頭に入れておく必要があります。

1.「忘れろ」「がんばれ」「しっかりしろ」は避ける

悲しみにある人に、悲しい事実を忘れることを強いるのは一般にマイナスになります。むしろ悲しい事実をみつめることが大切です。また、「がんばれ」「しっかりしろ」は励ましのつもりでしょうが悲しみにある人にはかえって負担が大きいのです。むしろ悲しみの状態を理解してあげることが必要です。

2.話を聞いてあげる

悲しみの中にある人に大切なのは、説教したり、助言したりすることではありません。同じ目線に立って、その人の想いを静かに聞いてあげることです。しかし、無理して話をさせることは逆効果になることもあります。相手が話したいときに、その人の想いを吐き出させ、怒りに対しても遮るのではなく、その怒りを発散させることが必要です。

3.一人にしない

孤独感が強い、周りの人に敵意を抱く、そんな状態のとき大切なことは、気をつけて側にいてあげることです。監視するのではなく、その人の側に静かに寄り添ってあげることが必要です。

4.悲しみを避けない

子どもを交通事故で亡くした親にかわいそうだからと傷ついた子どもに会わせない、あるいは残酷すぎるからと火葬場に行かせない、などというのは周りの配慮から出る行動ですが、時折、これが逆効果になり、遺族の死の現実をなかなか受け入れられない結果になることがあります。本人が望むのであれば遮らず、辛い現実であっても対面させることが大切です。

親を亡くした子どもにも「長い旅に出た」「お星さまになった」と現実をあいまいにして説明するのではなく、子どもが真実を知ることを望むなら「死亡した事実」をきちんと説明すべきです。親を喪った子どもは、死の悲しみを論理的に表現できないことがあります。しかし、感情としては理解しており、不安・悲しみが行動などにさまざまな形で現れ、情緒が不安定になったり、暴力的になったり、落ち着きを失ったりします。注意して見守る必要があり、悲しみを表現させる努力が必要です。

5.自分の悲しみの体験を分かち合う

ケアする人が家族の死に出合った体験をもっているのであれば、自分の体験した悲しみを思い起こし、その気持ちを大切にして相手に接することで、しばしば共感し合うことができます。また、そうした体験のない人も自分の場合のことを想像して、その立場で相手に接するとよいでしょう。

6.事務的煩雑さの負担をかけない

死後の事務的な処理が煩雑で、負担になるようでしたら、周囲の人が代行して、その人の気持ちの負担を軽減してあげることは大切なことです。しかし、もしその人が、それをすることを心から望むならば、代行を申し出ることがあっても、無理やりその仕事から引き離すことはマイナスになることがあります。

7.笑いや休息は不謹慎ではない

悲しみにある人が通夜や葬儀の場で他人の冗談に笑っても、疲れて休息をとっても「不謹慎である」と非難してはなりません。本人が自然に行うことであれば、悲しみというストレスには、笑い、ユーモア、休息は必要なことである、と理解すべきです。

8.健康管理に気をつける

遺族は不眠に陥ったり、しばしば健康を害しやすくなったりします。健康に注意することと、適切な運動が必要となります。

〇グリーフワークの今日的状況

家族分散や核家族化が進み、同じ家族であっても同じ程度の悲しみを体験するとは限りません。ある人々は死を納得し、それほどの悲しみも感じない一方で、少数の特定の家族だけが深い悲しみにおちいることがよくあります。誰が悲しみを抱えているか、よく注意する必要があります。

また、最近は長い介護の末に亡くなる方が増えています。かぞくが医師から早い段階で死の告知を受けている場合、入院中のまだ生きている段階なのに、死別の非嘆が家族を襲うこともあります。

さらに、老人ホーム、老人病院、その他の医療機関に長期入院の末に亡くなったときには、死別の非嘆が家族を襲うのではなく、付き添いの人、看護師など家族以外の人に現れるような事態もあります。そのた、家族よりも親しくしていた友人などに悲嘆現象が生じることもあります。

葬儀の場面においては、家族だけでなく、こうした悲しみを体験している死者と身近な人の心にも配慮する必要があります。

松戸市 葬儀
松戸市斎場での御葬儀・お葬式や家族葬を
お考えの方はご相談下さい。
お葬式の費用、家族葬の費用
お問合せ 0120-098-940


葬儀の生前準備

〇生前準備とは

葬儀の生前準備のシステムは米国で開始されました。北米では「プレニード」と呼ばれます。葬儀について本人が生前に契約を結んでおくことです。米国では葬儀社の98%がこのシステムを扱っています。日本では1993年秋にリス(LiSS)システムが登場したのが最初です。

生前契約は、次の2段階からなります。

①葬儀の内容を取り決め、

②葬儀の費用の支払い方法を定める

しかし、日本ではその後、契約までは至らない、ゆるい予約を意味するさまざまな生前準備システムが現れ、今日に至っています。

〇生前準備が登場した背景

米国で生前契約(プレニード)が普及した主な理由には、

1.米国は日本と異なり個人社会であり、香典という習慣もなく、葬儀費用は全て遺族の負担となること

2.葬儀によって遺族に経済的負担をかけたくないとする人々が増えたこと

3.葬儀の仕方に自分の意思を生かしたいとする人々が増えたこと

の3つがあげられます。

一方、日本は米国と比較すると共同体社会であると言われてきました。葬儀においても共同体(地域という地縁、企業という社縁、親族という血縁)の力が強く、その運営方法も故人の意思よりはとかく共同体の意思が優先されるものでした。また、費用も「香典」という習慣により賄われる部分が多いのが特徴です。

こうした社会的変化を背景として、米国と同様に「子供に頼れない」「子どもに迷惑をかけたくない」「死後のことにも本人の意思を反映させたい」とする考えをもつ人が、高齢者を中心に増加する傾向にあります。

これらが日本においても生前準備システムが登場し始めた原因と考えられます。

調査によると約3割の人々が生前準備システムに関心があるとされ、実際に契約に至るケースはまだまだ少ないものの、今後のシステムとしてすでにさまざまな生前準備システムが登場しており、注目を集めています。

〇生前予約・契約で注意すること

生前予約・契約は「いつとは定まっていない将来に対する契約」ですので注意することがいくつか存在します。

1.更新についての規定があること

契約内容については、将来において本人の意思が変わることもありますし、料金が変動

する可能性もあります。「5年おきに更新する」などの規定が必要です。また、解約の自

由が保証される必要があります。

2.できるだけ家族の同意を取りつけること

本人の意思だけでは、実際の施行にあたり家族とのトラブルを生じかねません。できるなら約にあたり家族の同意をとりつけることが望ましいところです。

また、家族と意見が対立していても、本人があくまで自らの意思を通すときには、葬儀の生前契約を公正証書にしておく必要もあります。

3.費用の支払いは施行後にすること

契約時に費用の前払いを受けることは望ましくありません。企業の将来は未定ですから将来の保証を安易に行うべきではありません。支払いは将来の施行の終了後に受ける必要があります。

4.支払い原資の確認をすること

契約の対価としては、保険、預貯金、不動産売却などがありますが、保険または預貯金による、目的用途を明らかにした原資の確認が必要です。本人からではなく、家族から支払いを保証する約束を取りつけることも考えられます。

5.契約を明確にすること

特に将来におよぶことである以上、口頭による信頼ではなく、文書による明確な契約が必要です。これは消費者および業者双方にとって必要なことです。もちろん将来保証できないことまでを内容に盛り込むといった責任のない契約はできません。

松戸市 葬儀
松戸市斎場での御葬儀・お葬式や家族葬を
お考えの方はご相談下さい。
お葬式の費用、家族葬の費用
お問合せ 0120-098-940


葬儀と習俗

〇野辺の送り

墓地または火葬場まで列を組み死者を送ることを「野辺の送り」と言います。

「野辺送り」「葬列」「渡御」とも言います。大正・昭和期に告別式が発生するまでは葬送儀礼の中心となっていました。

野辺の送りにはさまざまな様式がありますが、松明、提灯、六道を先頭にして、旗(銘旗)、龍頭、花籠、香炉、四華、膳、位牌、天蓋、柩などと続きます。葬列での役割は死者との関係によって決定されます。「善(縁)の綱」とは柩につなげた白い布のことで、これを手にするのは近親の女性や子どもが多かったようです。位牌を手にするのは喪主と決まっていました。また死者に供えた枕飯は喪主の妻が持つとされていたところもあります。

江戸時代までは葬儀は夜に行われたことが、松明が先頭に立つことでわかります。村の辻で柩を回したり、帰路は往路と道を変える、埋葬に使用した鍬、草履を捨ててくるなど、死霊が家に戻らないようにと、さまざまな呪法も行われました。

現在では霊柩車の使用もあり、本格的な葬列を見ることはなくなりました。寺院に入場する際に寺門から斎場まで、霊柩車に遺体を納める際に自宅または斎場から霊柩車の位置まで、墓地に納骨する際に寺院から墓地まで、と部分的に葬列を組む習慣を残しているところもあります。また、葬列は組まないものの、葬列の役割を発表する習慣だけを残ししているところもあります。

今、火葬場に向かう霊柩車、マイクロバス、ハイヤー、自家用車の列を「葬列」と称することもあります。

〇湯灌

湯灌とは納棺する前に遺体を洗い清めることです。遺体を洗い清める習俗は世界各地に見られます。古い湯灌の形は、病院での看護師による死後の処置(清拭)の登場によりほとんど姿を消し、現在、都市部で行われている「湯灌」は、巡回老人入浴サービスから転じた業者の新しいサービスです。

古い湯灌は、盥に水を入れておき、それに湯を加えた温水を用いて遺体を洗浄しました。

通常適温にするのにお湯に水を加えますが、これと逆の方法をとるので「逆さ水」と言います。作法としては、新しい杓を用いて遺体の頭から温水をかけるというのもありました。

近世以降は、男性の血縁者が茶碗酒(湯灌酒)をひっかけながら行うとか親族の女性が行うなど、近親者の役割とされてきました。しかし古く中世には、湯灌は聖と呼ばれた宗教者が行ったと言われます。中世末期までは湯灌は授戒や剃髪と一連の作法で、死者の霊魂を浄化するために行ったとされています。湯灌の作業中に、読経または念仏が行われたこともあります。

湯灌には、座棺に納棺しやすいように死後硬直を解くという実用的効果もあったと思われます。

〇魂呼び

「魂呼び」は人が死亡したとおもわれたとき、死者の枕元で、あるいは屋根に登って、または井戸や海に向かって死者の名前うぃ呼ぶ習俗です。「タマヨバイ」「ヨビカエシ」などとも言います。

市花田身体から霊魂が離れることと理解されていましたから、身体から遊離していく霊魂を呼び戻すことによって死者の蘇生を願うと共に、その死を確認し、死者を愛惜する儀礼と考えられます。

〇食い別れ

葬儀においては飲食が重要な意味をもっています。例えば「通夜振る舞い」と言われる通夜の飲食、出棺に際して(最近は、葬儀式に先立っての場合も多い)の「出立ちの膳(ワカレノシ、タチメシ、ナキワカレなどとも言う)」、火葬後の「精進落とし(精進上げ、忌中祓い、お斎など

とも言う)」があります。

飲食は人間の交わりを象徴するものですから、死者と食事を共にすることによって、死者と最後の交わりをし、別れを行ったものと考えられます。したがって、こうした飲食の席では、しばしば死者用にもお膳が用意されます。神と食事をすることで神の力をわが身に取りこむ、神人共食の観念が影響しているとの考えもあります。

今では、死者の供養のための振る舞いや、葬儀を手伝ってくれたり、わざわざ参列してくれた人へのお礼の意味が強調されていますが、以前はそうした意味に加えて死者との食い別れという性格が色濃くあったものと思われます。

また、飲食は、死者の魂を鎮め、死の穢れに対抗し、これを祓う力があると信じられていたようです。柩を担ぐ人、湯灌をする人、納棺をする人、墓穴を掘る人、こうした人々は死穢に強く染まるとかんがえられ、しばしばこうした役割を担う人へはご馳走が振る舞われました。

四十九日の忌明に作る「四十九(日)餅」は、他界に転ずる死者の霊との最後の食い別れとも、忌明を期した清めの意味があるとも言われます。

〇耳塞ぎ、年違え

近隣の者がしんだとき、死者と同年齢である者は死の穢れに染まりやすいということで、これを回避するための習俗です。

「耳塞ぎ」とは、餅などで耳を塞ぎ、死の知らせを聞かないようにすることです。ミミフタギなどとも呼ばれ、その餅は後で変わるにながしたりしました。鍋などで耳を塞ぐこともあります。また、ただ単に一度手で耳を塞いでから、その後で死の知らせをきくというところもあります。同年齢者はできるだけ会葬しないで、どうしても会葬するときは耳に餅を挟んで行くところもあります。

「年違え」は豆を食べて年を取り越し、死者とは同年齢でなくしてしまう習俗です。

〇イヌハジキ、イガキ、イキツキダケ

墓地に青竹を囲って覆ったり、垣根を作ったりすることがあります。犬が墓地を荒らさないように作るものだと「イヌハジキ(犬弾き)」と言ったり、忌みが外にでないようにするためと「イガキ(忌垣)」と言ったり、さまざまな表現があります。「モガリ」と称することもあります。

土葬した墓があらされないようにという意図もあったでしょうが、四十九日の間は死霊は荒らぶるもので、これを封鎖しておくという意味もあったと思われます。

また、墓の周囲に49本の卒塔婆をめぐらし、中に霊屋を置くのを「四十九院」と言います。都率天の宝殿を模したもので、真言宗の都率天往生信仰と殯の習俗が結合したものと思われます。

古代の殯は遺体を小屋に安置して白骨化を持つ、いわば風葬でしたが、土葬になってその名残りが埋葬地にこうしたものを作らせたと思われます。火葬が普及するにつれ、こうした習俗は減少しています。

また、埋葬地に石を置き、その後ろに竹を突き刺すこともあります。これは死者が生き返ったときに息をつくためだとして「イキツキダケ」とよばれます。

松戸市 葬儀
松戸市斎場での御葬儀・お葬式や家族葬を
お考えの方はご相談下さい。
お葬式の費用、家族葬の費用
お問合せ 0120-098-940


海外の葬儀事情

日本国内においても、沖縄から北海道まで葬儀の風習はさまざまです。同じ宗教であっても、地域により葬儀の仕方は必ずしも一様ではありませんし、死者に対する扱い方も異なります。私たちが諸外国の葬儀を考えるとき、相手を理解する立場で接する必要があります。日本の葬儀習慣を強制することは国際摩擦を引き起こす原因にもなりかねません。

 

〇葬儀業を囲む環境変化

東アジアでは儒教の影響が強く、手厚い葬儀が行われますが、その1つ韓国では1969年に冠婚葬祭などの儀礼の簡素化を規定した法律が施行されました。その結果、葬儀社が出現し、葬祭業者の組織化も進みました。中国においては、国が殯葬改革を進め、葬儀の近代化、火葬の推進に精力的に取り組んでいます。欧州では、欧州共同体の動きに合わせるかのようにして、葬祭業者が国境を越えて活動するようになっています。

全世界を見渡せば、まだまだ地域共同体による葬儀が多く、葬祭業者の確立を見ないアフリカ、アジア地域や、公営が多い東ヨーロッパ諸国などもあります。しかし、近代化にともなって葬祭業者の確立が図られると共に、各地で業界団体の組織化が進行しており、公的な資格制度を採用する国もふえつつあります。それまで社会的地位が高くなかった葬祭業者の地位向上に向けての努力が盛んに行われており、IFTA(イフタ、International Federation of Thanatologists Association 国際葬儀連盟)など国際的な葬儀業者の協議団体も組織され、国境を越えた取り組みもいっそう活発になると予想されます。

 

こうした中で、欧米の業者を中心に葬祭業の業務範囲の拡大と質の変化が課題となっています。葬儀の準備とその施行という狭い範囲の業務にとどまるのではなく、埋葬や火葬に必要な書類や死亡した病院での手続き、保険金の請求業務の助言や代行、遺体の長距離・国際間移送、エンバーミングなどの遺体処置、生前予約、遺族のカウンセリング、火葬業務、墓地経営など、死によって引き起こされる一切の業務について遺族の相談にのり、必要な手続きを代行するという、総合的な業務をするよう変化しつつあります。

また、こうした業務範囲の拡大にともなって、近代企業への脱皮がなされ、経営学の知識、コンピュータ利用法といった近代経営に必要な知識や技術はもちろん、葬儀の歴史や倫理、心理学、病理学・細菌学・解剖学などの医学、葬儀に関連する法規など、業務に関連する専門的知識、技術の習得が求められるようになり、そのための教育機関も現れています。また、葬祭業の社会的な役割が強まることによって必然的に強化されるのが社会的な責任です。企業として納税義務があることなどはもちろん、消費者保護や災害時における救援活動などは葬祭業者が自覚的に取り組むべき課題となっています。

 

〇イスラム文化圏の葬儀

近年、中近東から来日する就労者や就学者も増えており、イスラム教徒の葬儀習慣を知らないために、遺体を火葬に付して問題になったこともありました。国や民族により違いはありますが、イスラム教国の諸国においては宗教が生活の中に深く根ざしており、死に対してもイスラム教の教えが強く影響しています。

イスラム教では、死はアラー(神)に定められたものであり、死者はやがて来る裁きの日に復活するまで待機のときを過ごす。周囲の人々はこれを落ち着いて受け止め、過度に嘆き悲しむことなく速やかに死者を見送る必要がある、としています。したがって、当日もしくは翌日には埋葬され、火葬は固く禁止されています。復活の日に「五体満足」である、また、火で体を焼くのは煉獄に落ちた者への罰である、と説明されています。

まず遺体は、ムスリム(イスラム教徒)の仲間によって水で清められ、白布に包まれ、棺または台に載せられ、男性だけによる葬列を組んで墓地へ行きます。都市部では、郊外の墓地まで遠いため、霊柩車も使用されます。途中にモスク(イスラム教の礼拝所)があると立ち寄って拝礼し、葬列に出合った人は起立して見送ります。墓穴には白布のまま埋葬されることが多いようです。墓標を高く建てることは少なく、埋葬跡には石を置く程度です。服喪は基本的には3日間で、この間に弔問を受けます。弔問の主たる目的は死者の身内を慰めることにあります。死者や墓は粗末にはしませんが、過度に賛美したり、大げさに弔うことはしてはいけないとされます。エジプトなどの都市部では葬祭業者の存在も認められますが、信仰を同じくする仲間により葬ることが原則となっています。

 

〇北米の葬儀事情

北米では、葬儀社に就職するにしても経営するにしても、見習いは別として、資格が必要です。資格には連邦政府資格と州政府資格があり、州によりその必要な資格が定められています。

資格はフューネラルディレクターとエンバーマーの2つに分かれており、フューネラルディレクターは、通常はエンバーマーの資格も併せて保有しているケースが多いようです。 エンバーマーはエンバーミング(遺体衛生保全、遺体に対する消毒・防腐・修復・化粧の処置の総称)の技術者、フューネラルディレクターは葬儀全般の担当者で、消費者との対応は全てフューネラルディレクターの業務です。

この2つの資格を得るためには、原則として1年以上の葬儀専門学校(または大学の葬儀学部)での履修の後、1年以上の実習を経て試験を受け、合格しなければなりません。また、資格の更新も必要で、1回合格したら永久に有資格者となれるわけではありません。 エンバーマーになるためには、化学、細菌学、解剖学、病理学を学び、薬品や遺体処置に必要な医学的知識および処置の技術を習得します。フューネラルディレクターになるためには、医学関係の知識などに加えて経営実務、社会学を学ぶと共に、葬儀の歴史などの専門的知識および遺族に対応するために必要なカウンセリングや心理学についても学びます。北米の葬儀はまずエンバーミングから始まります。病院などで亡くなった遺体は日本の斎場にあたるフューネラルホームに運ばれます。遺族の9割以上がエンバーミングを望む米国では、遺族の依頼、同意の下でエンバーミングが行われます。この間、フューネラルディレクターは遺族に棺など必要な葬具を提示し、実際に見せ、葬儀をどう行うかを相談し、費用を見積もります。どんな音楽をしようするか、どのような花を使うかなども細かく相談しますが、このとき、フューネラルディレクターは遺族に対して情報は公開するものの、どのサービス、どの物品を選択すべきかを勧めてはいけない、と法律で定められています。(消費者の選択権確保)

葬儀の実質的な中心は、日本の告別式にあたるビューイング(またはビジテーション)です。エンバーミングが済み、棺(キャスケット)に横たわった遺体と告別に訪れた人々が一人一人一定の時間内でお別れをします。宗教的な儀礼は、フューネラルホーム内のチャペルでの葬儀式、墓地での埋葬式が一般的です。フューネラルディレクターは、埋葬あるいは火葬までの葬儀の運営、手続きの代行を行うほか、葬儀後の遺族を訪問し、その悲嘆のケアも担当します。

米国ではサナトロジー、デス・スタディと言われる死や遺族の非嘆を扱う学問も発達しており、この学問成果を活かすことにも熱心です。また災害時は、フューネラルディレクターやエンバーマーが、警察、消防、医師などと共に、緊急派遣の一員に組み込まれており、死者の遺体処理、搬送を担当するなど、その社会的責任は重いものがあります。葬祭業者は専門家として社会的な地位を高めていると共に、消費者運動が活発で、消費者の強い監視の下にあるということも米国の葬祭業を囲む環境の特徴となっています。

松戸市 葬儀
松戸市斎場での御葬儀・お葬式や家族葬を
お考えの方はご相談下さい。
お葬式の費用、家族葬の費用
お問合せ 0120-098-940


相続税

死亡してその財産を相続しても、相続税が全ての人にかかるわけではありません。相続税を納付すべき財産を遺した人は、全死亡者の5%程度と言われています。

「相続財産=課税される遺産総額」ではありません。課税される遺産を計算するには次の手順で行います。

1.被相続人の遺産の総額を計算します。

被相続人(死亡者)の遺産の総額を計算し、相続人に相続開始(=死亡時)前3年以内に被相続人より贈与された財産があればこれも遺産総額に加算します。土地、家屋、事業用財産、有価証券、現金・預貯金、家庭用財産など金銭に見積りできる経済的価値のあるもので、借地権、著作権、貸付金も含まれます。

この他、本来の相続財産以外の死亡保険金、各種保険金、死亡退職金もみなし相続財産として加えて計算します。

2.遺産の総額から非課税財産と債務、葬式費用を控除します。

非課税財産とは、

①墓地、墓石、仏壇、神棚、祭具

②公益法人(日赤など)に申告期間内に寄付する金額、財産

③生命保険金のうち500万円×法定相続人数分(放棄した人の数も含む)

④死亡退職金のうち500万円×法定相続人数分(放棄した人の数も含む)

のことです。

債務とは被相続人の借入金、未納の税金などを指します。

葬式費用とは、被相続人の葬儀にかかった費用で、葬儀社への費用、寺院関係費用、接待費用、その他(火葬、霊柩車の費用など)です。香典返しの費用、法要に要する費用などは葬式費用として認められていません。

これらを控除後の財産が課税価格となります。

3.課税価格から基礎控除をします。

基礎控除額は「5000万円+1000万円×法定相続人数(放棄した人の数も含む)」で計算されます。

例えば、法定相続人が3人の場合は、

基礎控除額=5000万円+1000万円×3=8000万円

となります。

基礎控除の結果、プラスがでればそれが「課税される遺産総額」になります。基礎控除額を差し引いて財産がマイナスになれば税金はかかりませんし、相続税の申告の必要もありません。

 

法定相続人の計算の場合、養子のうち特別養子や配偶者の実子で被相続人の養子になった場合は実子と同じ扱いですが、その他の養子の場合は、実子がいるときは1名だけ、実子がいない場合には2名までのみを法定相続人数に含める制限があります。

 

〇相続税の計算

「課税される遺産総額」が計算され、相続税の申告が必要なときは、次の手順で相続税額を求めます。

1.「相続税額の総額」を計算します。

法定相続人が各法定相続分どおりに相続したものと仮定して計算した金額に、それぞれの相続税額をかけて算出したものの合計金額です。相続税率は課税価格に応じて率が定められています。

2.「各相続人の負担する税額」の計算をします。

法定相続人がそれぞれ法定相続分を相続するとは限りません。放棄したり、割合が遺言、協議により変わる場合がありますので、実際の相続の割合に応じて、各相続人の負担税額を計算します。

法定相続人が配偶者と子供2名の場合、「相続税額の総額」は配偶者が2分の1、子供が各4分の1相続したものとして計算した合計額ですが、仮に子供が各8分の1を相続した場合、実際には配偶者は税額の4分の3を負担し、子供は税額の8分の1ずつを負担するよう計算します。

3.「各相続人が実際に納付する税額」を計算します。

実際に納付する税額は、個々の相続人の事情により異なります。

①配偶者の場合、相続財産が法定相続分相当額か、あるいはそれ以上でも16000万円までなら相続税はかかりません。但し、相続人の将来の相続(二次相続のこと。10年以内に同じ財産に対して相続が発生する場合)ではこの軽減が受けられないので注意が必要です。この軽減措置を利用する場合には無効であっても申告が必要です。

②死亡前3年以内に贈与された財産が相続税の課税価格に加算された人は、すでに生前贈与分に課税された贈与税の納付済税額が控除されます。また3年以内の生前贈与があっても相続放棄した相続人は生前贈与分の加算は必要ありません。

③被相続人が、今回の相続開始前10年以内に発生した相続により相続税を納付している場合には、今回の相続で財産を取得した人は、前回の相続税額の一定割合が今回の相続税から控除されます。これを「相次相続控除」と言います。

④この他、相続人が未成年者の場合や障害者の場合には控除があります。

⑤相続や遺贈により財産を取得した者が被相続人の1親等の血族および配偶者以外のとき、つまり兄弟姉妹、甥姪などの場合、あるいは法定相続人以外の場合には、計算された相続税額に2割加算した額が納付する税額になります。

〇相続税の申告と納付

相続税の納付義務者は、相続の開始を知った日から10か月以内に、被相続人の死亡時の住所地の所轄税務署に相続税の申告書を提出し、相続税を納付しなければなりません。金銭での納付が原則ですが、困難な場合は一定の条件の下で物納や延納も認められます。

松戸市 葬儀
松戸市斎場での御葬儀・お葬式や家族葬を
お考えの方はご相談下さい。
お葬式の費用、家族葬の費用
お問合せ 0120-098-940


遺言

「遺言」は通常「ゆいごん」と読みますが、法律的には「いごん」と言います。自らの財産などを自らの死後どうするかについて、生前定めておくことを言います。

遺言と似たものに「遺書」がありますが、法律的には効力をもちません。これに対し遺言は、有効となる内容と形式が全て法律で定められているものです。

遺言として法的に有効なのは、主として財産に関する事項ですが、その他、相続人を廃除したり、子の認知をしたり、未成年者である子の後見人、後見監督人を定めたり、遺言の執行者を定めたり、祭祀承継者を指定したりすることもできます。「葬儀はこのようにしてほしい」などと遺言に書いても法律的には無効ですが、遺言自体が無効になるわけではありません。

遺言できる人は満15歳以上で(民法第961条)、また、夫婦など複数の者が同一内容の遺言を同一証書ですることはできません。(民法第975条、共同遺言の禁止)。

 

〇遺言の方式

遺言の方式には「普通方式」と「特別方式」があります。

「普通方式」には、自筆証書、公正証書、秘密証書の3種類があります。(民法第967条)。

「特別方式」は、普通方式の遺言がかなわない特別な状況でなされる遺言で、死亡危急者の遺言、伝染病隔離者の遺言、在船者の遺言、船舶遭難者の遺言、の4種類があります。(第976~979条)これら以外の方式によるものは遺言として認められません。

 

〇普通方式の遺言

❶自筆証書遺言

遺言者が遺言書の全文、日付、氏名を全て自書し、印鑑を押したもので、追加、削除、変更の方式も定められています。(民法第968条)特別な費用もかからず、最も簡単な方式ですが、法律の専門家でない場合には不備や不完全である心配もあります。実際、遺言の効力や本人の直筆かどうかは裁判で争われることもあり、確実性の点で問題があります。自筆が条件ですから、ワープロで書かれたものや、コピーは無効とされます。

自筆証書遺言は、死後に家庭裁判所による検認を受ける必要があります。また、封印のある場合は家庭裁判所で開封する必要があります。(民法第1004条)。

❷公正証書遺言

最も安全、確実な遺言の方式です。公証人が遺言者の口述に基づき公正証書として作成するものです。証人2人以上の立ち会いが必要です。(民法第969条)。

公証人に支払う手数料が必要ですが、専門家が作成するので無効のおそれがなく、原本が公証人役場に保管され、家庭裁判所による検認の必要もありません。

❸秘密証書遺言

公正証書遺言は公証人、証人の前で遺言内容を明らかにするものですが、秘密証書は、遺言内容は秘密にしたまま、その封印したものを公証人、2人以上の証人の前に提出し、自己の遺言書であることを証明してもらうものです。(民法第970条)

遺言証書の全文を自書する必要はなく、ワープロでもかまいません。但し、署名し、印鑑を押し、同じ印鑑で封印します。文章の追加、変更、削除は、定められた方式によります。死後、家庭裁判所で開封、検認を受ける必要があります。

 

以下のものは、あくまで遺言者が普通方式の遺言が不可能な、特別な状況にあるときだけに認められる遺言の方法で、遺言者が普通方式の遺言が可能になり6ヶ月生存したときには無効となります(民法第983条)。

 

〇特別方式の遺言

①死亡危急者の遺言

病気などにより死亡間近に迫った者が遺言しようとするとき、証人3人以上の前で口述し、証人の一人が筆記して各証人が承認して著名し印鑑を押したものです。遺言の日から20日以内に家庭裁判所に提出し、家庭裁判所が遺言者本人の真意であると確認しないと効力をもちません(民法第976条)。

②伝染病隔離者の遺言

伝染病のため隔離されて交通が絶たれ、人の行き来のできない場所にいるとき、警察官一人、証人1人以上の立ち会いで遺言書を作成することができます(民法第977条)。

※伝染病以外の理由で行政処分が行われた場合(例えば刑務所内にある者)も同様であると解されています。

③在船者の遺言

船舶中にある者は、船長または事務員1人、証人2人以上の立ち会いで遺言書を作成できます(民法第978条)。

④船舶遭難者の遺言

船舶遭難の場合、船舶中で死亡の危険が迫った者は証人2人以上の立ち会いのもと口頭で遺言できます。但し、証人はこれを筆記、署名、印鑑を押し、家庭裁判所の確認を得ないと効力をもちません(民法第979条)

 

〇遺言の効力と取り消し

遺言の効力と取り消しについて、主なものを記します。

1.遺言は、遺言者が死亡した時点から効力を発揮します(民法第985条)。

2.受遺者(遺産を贈られる人)は、遺贈(死後贈られる財産)を放棄することができますが、催告期間内に承認、放棄の意思表示をしないときは承認したとみなされます。また、いったん承認または放棄したものを取り消すことはできません(民法第986~989条)。

3.遺言者は、いつでも、遺言によって、前の遺言の全部または一部を取り消すことができます(民法第1022条)。

4.前の遺言と内容が重なったり、矛盾するなど抵触する遺言があったときは、後の遺言によって前の遺言が取り消されたものとみなされます(民法第1023条)。また、遺言書を自分の意思で破棄したり、遺贈の目的物を破棄、処分したときも、その部分の遺言を取り消したとみなされます(民法第1024条)

 

〇遺留分

例えば、遺言書に配偶者はあるが、子供も親も兄弟もいないとき、法定の相続人は配偶者1人です。この遺言者に愛人がいて、財産を全て愛人に遺贈すると遺言書に書いたとします。この場合、配偶者が異議を唱えなければ、愛人に財産が全て遺贈されますが、配偶者が異議を唱えれば、財産の半分が相続できます。このように一定の相続人が一定の割合で必ず相続できるように定められたものを「遺留分」と言います。

遺留分は、相続人が親(=直系尊属)だけの場合は3分の1、配偶者や子供の場合は2分の1です。兄弟姉妹には遺留分がありません(民法第1028条)。

相続人が配偶者1人だけのとき、遺言がなければ配偶者が100%相続しますが、前の例の場合は、その2分の1しか請求できません。この遺留分を請求することを「遺贈、贈与の減殺の請求」と言い、相続の開始(死亡時)あるいは減殺すべき贈与または遺贈の事実を知ったときから1年以内に行わない場合、または相続の開始から10年経過すると時効になり、権利は消滅します(民法第1042条)。

つまり遺言者は、相続人が兄弟だけの場合には遺言で全財産を自由に遺贈することを決定でき、相続人が親だけの場合には財産の3分の2について自由に決定でき、相続人が配偶者と子供のときは財産の2分の1について自由に決定できます。

松戸市 葬儀
松戸市斎場での御葬儀・お葬式や家族葬を
お考えの方はご相談下さい。
お葬式の費用、家族葬の費用
お問合せ 0120-098-940