法要

日本人は死者供養を大切にしてきた民族であると言えます。歴史的には、中陰の七仏事(初七日、二七日、三七日、四七日、五七日、六七日、七七日)はインドに起源をもちます。中国に仏教が伝わり、百カ日、一周忌、三回忌(満2年)の三仏事が加わり十仏事となりました。さらに日本で七回忌、十三回忌、三十三回忌が加わり、十三仏事となり、近世に十七回忌、二十五回忌が加わり、十五仏事となりました。七回忌の後が十三回忌なのは七回忌の7年目であるため、それに引き続く十七回忌は7の数字がつくからと言われます。五十回忌以降、50年ごとに行われる法要を遠忌と言い、宗派の祖師の場合などに限って営まれます。

このほか、祥月命日(故人の命日)と月忌(月の命日)があります。また、お盆や春秋のお彼岸があります。遺された者が、生ある限り、亡くなった人のことを覚え、その生を大切にして、感謝して生きる、亡くなった人との関係をずっと維持しようとするのが日本人の特性の一つと言えるかもしれません。

ちなみに弔い上げは三十三回忌または五十回忌をもって行います。死者は個性を失い、祖霊(先祖)になる、「ホトケがカミになる」と考えられ、仏壇から位牌を片づけ、それ以降祀るのは「○○家先祖の霊」の位牌になります。

 

〇十王信仰

死者は7日ごと、百カ日、一周忌、三回忌に十王の審判を受けが、遺族の追善供養の力により地獄に落ちることを免れるという十王信仰があります。

初七日には泰広王(不動明王)の審判を受け、行方定まらないものは三途の川を渡り、二七日に初江王(釈迦如来)の審判を受け、ここでも定まらないと順に、三七日に宋帝王(文殊菩薩)、四七日に五官王(普賢菩薩)、七七日に泰山王(薬師如来)の審判を受けます。この王の下で地獄、餓鬼、畜生、修羅、人間、天上の六道のいずれか決定されるので、四十九日の追善供養は特にねんごろに行う必要があると説きます。

これでも行方が定まらないと百カ日に平等王(観世音菩薩)、ここでも定まらないと一周忌に都市王(勢至菩薩)の下に行くとされますが、これはひとえに遺族の追善供養のおかげで、一周忌の功徳により三回忌の五道転輪王(阿弥陀如来)に送られます。そして充分に追善供養をすれば成仏できるとしています。ちなみに七回忌は、阿閦如来、十三回忌は大日如来、三十三回忌が虚空蔵菩薩です。祥月、月忌が一般化したのは15世紀と言われます。

地獄に対する恐怖が追善供養を一般化することを促したことも事実ですが、時代が変わっても受け入れられているのは死者を覚えておきたいとする人々の想いと重なったからでしょう。

 

〇追善供養

追善供養、追善回向と言われるものは、仏教では直接故人に対してなすものではなく、遺族が仏に供養し、その善い行いや徳を故人に振り向けるという間接的な形をとります。

浄土真宗では故人のための追善を否定し、故人を偲び、これを縁として仏法を聞く場(聞法の場)として位置づけられます。

 

〇中 陰

古代インドでは人間は輪廻転生すると考えられていました。誕生の瞬間が生有、生きている間が本有、死の瞬間が死有、死んで次の生を得る間の期間を中有あるいは中陰と呼び、中有は49日間であるとされました。この間、7日ごとに法要を行い、七七日を満中陰と言います。この49日間は、死の穢れが強い時期ということで、遺族は祭などに出ることなく謹慎して家にこもります。これを「忌中」と言います。四十九日が過ぎるとしたがって「忌明」となり、日常生活に復帰しました。

この忌中も忌明も死穢観念から出ているものですが、一方では遺族にとっては精神的に打撃を受けている期間でもあります。そこで遺族が日常生活から離れて死者の弔いに専念し、次第に精神的傷を癒し、日常生活に復帰するプロセスでもあると考えることができます。

7日ごとに集まり法要することは、死者を弔うと同時に、周囲の人が遺族の悲しみを思いやることでもあったと思います。

忌明をもって本来は「精進落とし」となっていました。また、忌明で中陰壇を片づけますが、これを「壇ばらい」「壇引き」ともいいます。それまで使用していた白木の位牌は檀那寺へ返し、漆の塗位牌を作り仏壇に納めます。また神棚の白紙などを取り除き、神社へお参りすることを「晴詣り」と称して推奨されることがあります。

「忌中」に対し、「喪中」は1年間(13か月)を指します。中国の儒礼(儒教の儀礼)では三回忌を大祥忌といい、それをもって日常生活へ復帰していたように、死後1~2年の間は遺された者の死者への想いが息づいている期間でもあります。遺族の心理的なプロセスを考えると葬儀あるいは喪中は、一周忌または三回忌あたりまで続いていると理解してよいでしょう。

 

〇中陰の繰り方、法要の日の選定

中陰法要の日の数え方は、死んだ当日を入れて7日ずつ繰ります。したがって初七日は死後7日目にあたります。関東ではこの7日目ごとの当日に、関西ではその前日である「逮夜」に法要を営むことが多いようです。法事を営む日を変更する場合には、早い日を選ぶ傾向にあります。また、家族の年回忌が近いときには一緒に行うことがありますが、三回忌までは一緒に行わず、行うときには早いものに合わせて行いがちです。例えば、祖父の十三回忌が7月10日で、父親の七回忌が7月25日である場合、7月10日あるいはそれ以前の近い日を選ぶ傾向にあります。

〇法事の営み方

身内だけで営むときは電話連絡でもよいでしょうが、四十九日、一周忌、三回忌など、関係者に広く集まっていただくときには、案内状を出し、出欠の確認をします。場所は寺院、斎場、自宅、最近ではレストラン、ホテルとさまざまです。

自宅で行う場合、仏壇のお飾り(荘厳)をします。打敷を敷いて、五具足で行うのが正式とされています。香炉を中央にし、その左右に燭台、外側の左右に花立てを置きます。供物は仏飯、餅、菓子、果物などです。供える花は三回忌までは赤など華美な花は避け、ロウソクも白を原則とします。故人の位牌、過去帳を仏壇の最下段に安置します。参列者からの供物は、仏壇の両脇などに白布で覆った小机を用意し、そこに置きます。また焼香台を用意します。

先に関係者が着席し、僧侶を迎え、読経、焼香、法話が行われます。自宅で行うときに、家族が会食の準備をしていて席につかないことがありますが、本来はそろって勤めるものとされています。

法要が終わると、会食となりますが、これを「お斎(とき)」といいます。施主が挨拶し、食事となります。このとき僧侶を上席とし、家族は末席となります。お斎の食事は、肉食を避けて菜食の精進料理でしたが、現在ではあまりこだわらないとされています。参列者には帰りに引き物(お土産)を渡す習慣があります。

 

遺族は略礼服を着るのが一般的ですが、きちんとした服装であれば平服でもよいとされています。喪服は、遺族であっても一周忌あるいは三回忌までです。遺族以外の参加者は平服でかまいません。

参列者は供物や金銭のお供えをするのが一般的ですが、これには「御仏前」または「御香資(御香料)」などと記します。

僧侶が会食の席につかないときは、折り詰めにしてもちかえり願うか、代わりに「お膳料」を包みます。僧侶に法要を勤めていただいたのに対しては「お経料」と書かれる例も見られますが「お布施」が正しいとされます。

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枕経、遺体処理、納棺

 

〇枕経

起源は中世の浄土教の時代の、誦経(ずきょう)・念仏した臨終行儀にあるといわれており、亡くなったらできるだけ早く檀那寺(真宗ではお手次寺)に連絡して僧侶にきていただき、枕飾りのできたところで読経していただきます。この時、喪服ではなく、通常の衣服を整えて出ればよいとされます。

宗派により考え方が異なりますが、故人に対して読経してきかせる、または仏壇の内仏あるいは本尊に向かって読経するという考え方があります。既に戒名(法名、法号)をいただいているときは申し出、そうでないときは個人の人柄などを話しておきます。

最近では、通夜のときに枕経をあげることも少なくありませんが、本来は死亡直後につとめます。キリスト教の場合には、危篤、臨終のときから神父または牧師が立ち会うことが原則になっています。

 

〇遺体処置

一般的には、枕経の後納棺します。遺族によっては、一晩は自宅の布団に寝かせて、翌日に納棺を希望する場合もありますが、遺体の状況や天候により、翌日までのばすことが可能か適切に判断するようにします。

納棺に先立ち、湯灌、死化粧、遺体衛生保全(エンバーミング)などの遺体処理を施すことがあります。

 

〇湯灌

湯灌は、①昔ながらの湯灌、⓶湯灌業者による湯灌があります。

①昔ながらの湯灌

たらいに水を入れ、それにお湯を注ぎ、遺体を洗浄します。水にお湯を足すという、通常とは逆の方法で温度調節をするので、「逆さ水」と呼ばれますが、最近では病院で死後の処置がなされてくることが一般的になったため、行われることが少なくなりました。

⓶湯灌業者による湯灌

車に浴槽を積み込み、自宅を訪問して、あるいは民間斎場内の湯灌室にて湯灌のサービスを行います。一定の儀礼形式を踏み、布で遺体を隠し、シャワーで遺体を洗浄して、着替え、化粧までを施すものです。

しかし、湯かんを行う人の健康の問題や浴槽の水の廃棄処理の問題など、公衆衛生上の配慮が必要です。また、内容の説明、料金の明示と遺族の同意は必要条件です。

 

〇エンバ―ミング(遺体衛生保全)

エンバ―ミングは、北米では南北戦争(1865年)のときに戦死者を遠隔の故郷に遺体のまま移送する必要性から一挙に普及し、現在では約9割の遺体に施されています。また、北欧・英国でも約7割に施されるなど国際的に一般的な遺体処理の方法です。

体内を固定して殺菌して公衆衛生上安全な状態にすると共に腐敗を止める、顔などを整え修復することなどから、特に事故・災害遺体や解剖後の遺体の修復においては必要性の認識が高まっています。

但し、遺族に対して処置内容を説明して同意書を得ること、尊厳とプライバシーに配慮した処置、必要な訓練課程を修了した技術者による処置が必要とされており、さらに廃液処理においても地方自治体への届出義務があります。

日本ではI F S A(日本遺体衛生保全協会)が自主基準を作成し、エンバ―ミング施設を厚生労働省などへ届け出て行うことを取り決めています。本格的なエンバ―ミングは1988年に開始され、年々増加の傾向にあります。

 

処置の概要は次の通りです。

➊脱衣

全身を確認し、損傷部位がないかを調べます。

❷消毒・洗浄

全身をスプレーで殺菌し、洗浄、洗髪します。

❸口腔などの殺菌

❹髭剃り

❺顔の処置

口を縫合し、閉じて形を整え、目にアイキャップを挿入し、形を整えるなどして顔を整えます。

❻動脈・静脈の剖出と注入管・排出管の連結

皮膚を小切開し、体表近くの動脈と同部位の静脈を剖出。動脈にエンバ―ミングマシーンに繋がる注入管を連結、静脈には排出管を連結します。

❼防腐前液の注入と血液の排出

❽防腐固定液の注入

メチルアルコール、ホルマリンなどからなる防腐固定液を全身をマッサージしながら全身に行き渡らせるように注入します。この薬剤には色素などが配合され遺体の表情に赤みを与えます。

❾体腔への防腐液の注入

体腔の一部を小切開し、内容物を排出し、防腐液を注入します。

❿切開部の縫合

⓫全身の洗浄

⓬修復

修復を必要とする部位の修復をします。

⓭着衣・化粧

遺族の希望する服を着せ、化粧を施します。

 

〇その他の遺体処理

「納棺師」「死化粧」などと言われる遺体処理を専門とする業者が出現しています。病院による死後の処理をより本格的にした処置まで施すことにより、それぞれ評価を高めていますが、作業を行う人たちに公衆衛生上の教育、廃水の処理などが課題となります。

一般的に葬祭業者が行う遺体処理は次のものです。

1. 搬送後の遺体の乱れを修復する。特に血液や体液の漏出に注意し、ゴム手袋を着用する。

2. 軽く顔などの表面を消毒用アルコールで拭く。

3. 着替えを行うか、上から死装束を被せる。

 

〇死装束

かつて故人に着せる死装束は、故人とゆかりのある女性の手によって、糸尻を止めずに縫われました。僧や巡礼者の姿になぞらえ、白木綿に経文を記した、明衣、浄衣とも言われる経帷子(きょうかたびら)です。

経帷子を左前に着せ、三角頭巾を額にあて、手甲をつけ、脚絆を巻いて、白足袋に草履を履かせ、六文銭を入れた頭陀袋を首にかけ、杖を手にし、という西方浄土に旅立つ旅姿をとります。浄土真宗系では冥途の旅を否定しますので、こうした服装はせず、白衣や遺族心づくしの晴れ着を着せます。そして胸に組んだ両手には木製の念珠(数珠)をかけます。最近では、本格的な経帷子の使用が少しずつ減少する傾向にあります。

 

〇納棺

湯かんなどの遺体処理、着替え、納棺は一連の作業として行われることが一般的で、遺族や親しい人にてつだってもらって行います。指輪や装身具は、後から紛失したなどの問題が生じないよう、遺族立ち会いの下で外します。副葬品については、火葬の際に、

1. 爆発のおそれのあるもの

2. 燃えないもの

3. 遺骨を傷つけたり着色するおそれのあるもの は避けることをアドバイスします。

具体的には、ペースメーカー(病院で除去してもらいます)ガスライターなどの爆発のおそれのあるもの、メガネや酒の瓶などのガラス製品、金属でできた釣り竿やゴルフクラブ、金属製の仏具などです。

また、ゴルフボールは炉の中で回って遺骨を傷つけるおそれがあります。

 

〇ドライアイス

エンバ―ミング(遺体衛生保全)した遺体の場合には不要ですが、一般的には腐敗の進行を遅延させるためにドライアイスを入れます。胃や腸の腐敗は早く、腐敗ガスを発生させますから、胸から腹部が中心で、喉元(側頭部)と下腹部がポイントになります。夏場や脳溢血のときなどは量を増やして使用することがあります。ドライアイスは遺族にとって気持ちのいいものではありませんので、目に触れないように処置します。

また、ドライアイスは二酸化炭素を排出するので、搬送時には車内の換気に注意しましょう。また、出棺の際にはドライアイスを除去します。最近の斎場では、冷蔵庫による保管も多くなっています。

 

〇遺体取り扱いの公衆衛生上の配慮

湯灌、納棺などの遺体処理、取り扱いの際には、安全のための対策を軽視してはなりません。素手で作業することが遺体を大切に扱っていることになるという誤った考えは、まだまだ多いようですが、これでは感染するおそれがあります。むしろ衛生上の配慮をきちんとして作業にあたることが専門家として正しいあり方です。

遺体処置にあたっては少なくとも使い捨てマスク、使い捨てビニール手袋は必ず使用します。取り扱い後にはうがいをし、流水で手をよく洗い、消毒用アルコールで消毒します。

 

〇遺体の変化

➊死斑

心臓が停止して血液の流れが止まると、血管内の血液は下のほうに集まります。上になった部分の皮膚は蒼白になり、下になった部分の皮下の静脈には血液が溜まっていきます。 この溜まった血液の色が皮膚を通して見えるのが死斑です。死亡後20~30分で点状の斑点が出現し、死亡後2~3時間で斑点が融合します。死後10時間くらいまでは死斑は固定しませんが、20時間以上経過すると固定します。

❷死後硬直

死後2時間くらい経過すると、筋肉内のグリコーゲンの減少と乳酸の増加に伴ってアデノシン三リン酸(ATP)が減少します。この化学反応のため次第に筋肉が硬化し、関節が動かなくなる現象が死後硬直です。

死後2時間くらいで顎関節に現れ、順次全身の筋肉および、6~8時間で手足の筋肉に明確に認められるようになります。8~10時間くらいまでは、筋肉に力を加えて伸ばすと柔らかくなり、再び硬直を起こします。死後およそ20時間で硬直は最も強くなります。その後は腐敗が強まるため、死後硬直は次第に溶けていきます。

❸腐敗

遺体の腐敗は消化器系である胃や腸から始まります。

死後1時間内外で腸内細菌の増殖が認められます。また、死亡すると胃酸や腸の消化液が胃腸そのものを溶かし、酵素による自家融解を起こします。

腸内細菌の繁殖と胃腸の融解によって腐敗が進行し、腐敗ガスが発生します。この腐敗ガス中に含まれる硫化水素が血液中のヘモグロビンと結合して硫化ヘモグロビンが作られると、腹部が淡青藍色に変色します。この変色が全身に波及し、さらに腐敗ガスが発生すると、全身が膨らんでいきます。腐敗が進行すると、全身は次第に暗赤褐色に変色し、膨らんだ死体は巨人のような外観を呈します。さらに腐敗が進行すると乾燥し、体表は黒色に変色し、体の組織は腐敗汁を出して融解し始め、遂には骨が露出されます。松戸市 葬儀
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死の判定と死因調査

人の死は、法律的には医師により死亡診断書または死体検案書が発行されたことをもって確定します。①呼吸停止、②心拍停止、③瞳孔散大・対光反射消失が「死の3徴候」と言われ、医師はこの3点の不可逆的停止によって死の判定を行っています。そして一般に呼吸を停止した時刻あるいは脈がとれなくなった心拍停止の時刻をもって死亡時刻としているようです。

これが「心停止」と言われる死の判定法で、法解釈上も確定しているものです。これに加えて、次項で説明する「脳死」判定のいずれかによって死は判定されます。

 

「不可逆的停止」とあるのは、いったん自発呼吸が停止しても直後に人口呼吸を施すことにより呼吸が再開されたり、強心剤などにより停止した心臓が動き出すこともあり、一時的な機能停止は必ずしも絶対的ではないからです。かつて明治中期に墓埋法で法定伝染病患者の死以外においては死後24時間以内の火葬あるいは土葬を禁じたのは、生者埋葬を避けるためでした。しかし、不可逆的心停止になると身体の各臓器への血液供給が不可能となり、蘇生の可能性はなくなりますので、今では医師の判定をもって死が法律的にも確定しています。

 

ところが3徴候による死の判定は、人口呼吸器(レスピレータ)の出現によって、呼吸と心臓の拍動が維持できるようになるいわゆる「脳死」が現れたのです。脳死に陥ると生命は蘇生することはなく、脳死状態もいつまでも固定化されることはありません。脳死後1日から1週間で心停止に至るとされます。

これに臓器移植の問題がからんでくることにより、脳死をもって人の死とするか、あくまで心停止をもって人の死とするかが問題になりました。しかし、心臓移植以外に回復の望みのない患者への移植が可能となり、海外での心臓移植手術しか方法のなかった患者には道が開かれることになります。これには脳死判定の基準の確立という医学的問題や、死生観の問題の他、臓器売買の可能性はないかなど社会的に検討すべき課題がありました。

 

昔、医療が発達する以前は、息を引き取り、体温が低下し、身体が硬直し、という死のプロセスを判断して死を容認してきました。近代に入り、死は医師が判定するものとなり、その判定基準として死の3徴候が定義化し、そこに科学技術の発達により、もう一つの死「脳死」が加わりました。しかし、死を点として見るのではなく、プロセスを経ることで死を受け入れていくという感情はいまだに大きなものがあります。死の判定は単に医学的な問題だけではなく、社会的な合意が必要な問題なのです。

 

臓器移植法により、脳死者からの臓器移植には、ドナーカードなどによる本人の生前意思の表明に加えて、家族に対する脳死についての充分な説明と同意が必要とされています。脳死判定の基準も定められ、脳死判定を受けるか否かも本人の意思・家族の同意が必要となっています。臓器の売買も禁止され、それを防ぐ策も法律には折り込まれました。

臓器移植法により、人間にとって死は1つであるが、死の判定方法として死の3徴候(いわゆる心臓死)と全脳の不可逆的停止(いわゆる脳死)によるものがある、と解されます。

 

戸籍法第86案第2項に、死亡届には死亡診断書または死亡検案書を添付するよう義務付けています。通常の病死あるいは老衰しなどの自然死であることが明らかな場合には、診察・治療にあたっていた医師が死亡診断書を発行します(医師法第19条)

しかし、突然死の場合や長く医者にかかっていないで死亡した場合は、自然死であっても医師は死亡診断書を発行できません(医師法第20条)警察の検視後、監察医などが検案して死亡検案書を発行します。病死あるいは自然死以外の異状死体、あるいは犯罪の疑いのある死体の場合には、警察に届け、その検視を経て、監察医または警察の嘱託医が検案して死体検案書を発行します。

警察による検視、監察医などによる検案が必要なケースは、まとめると次のようになります。

①病死あるいは自然死であっても生前に診察・治療していた医師がいない場合

②病死あるいは自然死であるかどうか不明な場合

③指定された感染症による死、中毒死などの場合

④溺死、事故死、災害死、自殺などの非犯罪死の場合

⑤殺人、過失致死などの犯罪死あるいはその危惧がある場合

 

死体解剖保存法第8条第1項に、各都道府県知事は、その地域内における伝染病や中毒又は災害により死亡した疑いのある死体や死因の明らかでない死体について、その死因を明らかにするため監察医を置き検案や解剖させることができる、とあります。

そして「監察医を置くべき地域を定める政令」により東京23区、大阪市、横浜市、名古屋市、神戸市の5地区に監察医を置くことが定められています。

 

まず、監察医あるいは警察の嘱託医などが検案(検死)します。検視される遺体は全死亡者の10~15%あります。これに対して犯罪死のおそれがあるときに行う解剖を、「司法解剖(または法医解剖)」といいます。司法解剖は年間3000~4000件行われています。診察・診断を受けていた病院、医療機関で行う解剖は「病理解剖」と言います。病理解剖には原則として遺族の同意が必要とされます。

 

平成13年の死亡者総数は970,331人でしたが、死因別の順位は次の通りでした。これを推移で見てみましょう。(厚生労働省大臣官房統計情報部「平成13年人口動態統計年報」による)

 

〇死因別順位(2001年)

①悪性新生物     30.1%

②心疾患       14.8%

③脳血管疾患     13.2%

④肺炎         8.5%

⑤不慮の事故      3.9%

⑥自殺         2.9%

⑦老衰        2.2%

➇腎不全       1.8%

⑨肝疾患       1.6%

⑩糖尿病       1.2%

⑪高血圧性疾患    5.9%

⑫結核        2.4%

 

がん(悪性新生物)による死亡者が全体の3分の1近くにまでなっています。

 

葬祭業者が遺体を取り扱えるのは、法律的に死が確定した後、つまり医師が死亡を判定した時点以降です。それを証明するのが医師によって発行される死亡診断書または死体検案書です。それ以前に「遺体」に対して何らかの処置を施すこともできないため、死亡の連絡があった場合には、必ずこのことを確認する必要があります。

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死の判定と死因調査

〇死の判定

人の死は、法律的には医師により死亡診断書または死体検案書が発行されたことをもって確定します。したがって、死亡診断書または死体検案書が死亡届提出の必須条件になります。

では医師はどういう根拠で死亡を判定しているのでしょうか。

伝統的に、①呼吸停止、②心拍停止、③瞳孔散大・対光反射消失が「死の3徴候」と言われ、医師はこの3点の不可逆的停止によって死の判定を行っています。そして一般に呼吸を停止した時刻あるいは脈がとれなくなった心拍停止の時刻をもって死亡時刻としているようです。

これが「心停止」と言われる死の判定法で、法解釈上も確定しているものです。これに加えて、次項で説明する「脳死」判定のいずれかによって死は判定されます。しかし、法律的な死である心停止以降も「生きている」臓器や細胞はあり、個体としての死はゆるやかに進みます。

 

「不可逆的停止」とあるのは、いったん自発呼吸が停止しても直後に人口呼吸を施すことにより呼吸が再開されたり、強心剤などにより停止した心臓が動き出すこともあり、一時的な機能停止は必ずしも絶対的ではないからです。

かつて明治中期に墓埋法で法定伝染病患者の死以外においては死後(死判定後)24時間以内の火葬あるいは土葬を禁じたのは、生者埋葬を避けるためでした。しかし、不可逆的心停止になると身体の各臓器への血液供給が不可能となり、蘇生の可能性はなくなりますので、今では医師の判定をもって死が法律的にも確定しています。

 

〇「脳死」の問題

ところが3徴候による死の判定は、人口呼吸器(レスピレータ)の出現によって、大きく揺らぐことになります。自発呼吸が不可逆的に停止しても、人口呼吸器によって呼吸と心臓の拍動が維持できるようになるいわゆる「脳死」が現れたからです。

人口呼吸器の使用によって、呼吸と心拍の停止より先に、脳のすべての機能が不可逆的に停止する状態が発生するようになりました。これが脳死の状態です。脳死に陥ると生命は蘇生することはなく、脳死状態もいつまでも固定化されることはありません。脳死後1日から1週間で心停止に至るとされます。

そして、これに臓器移植の問題がからんでくることにより、脳死をもって人の死とするか、あくまで心停止をもって人の死とするかが問題になりました。脳死後でも人口呼吸器を備えて心臓を生かしておけば、心臓移植以外に回復の望みのない患者への移植が可能となり、海外での心臓移植手術しか方法のなかった患者には道が開かれることになります。

しかし、これには脳死判定の基準の確立という医学的問題や、死生観の問題の他、臓器売買の可能性はないかなど社会的に検討すべき課題がありました。

昔、医療が発達する以前は、息を引き取り、体温が低下し、身体が硬直し、という死のプロセスを判断して死を容認してきました。近代に入り、死は医師が判定するものとなり、その判定基準として死の3徴候が定義化し、そこに科学技術の発達により、もう一つの死「脳死」が加わりました。しかし、死を点として見るのではなく、プロセスを経ることで死を受け入れていくという感情はいまだに大きなものがあります。死の判定は単に医学的な問題だけではなく、社会的な合意が必要な問題なのです。

脳死は先進国では1%ぐらいあり、交通事故などによる脳挫傷などの頭部外傷、脳出血などの脳血管障害や一時的な心停止による脳の無酸素症などによって発生すると言われています。

臓器移植法により、脳死者からの臓器移植には、ドナーカードなどによる本人の生前意思の表明に加えて、家族に対する脳死についての充分な説明と同意が必要とされています。脳死判定の基準も定められ、脳死判定を受けるか否かも本人の意思・家族の同意が必要となっています。臓器の売買も禁止され、それを防ぐ策も法律には折り込まれました。

臓器移植法により、人間に心臓死と脳死という2つの死が認められたというよりも、その人間にとって死は1つであり、死の判定方法として死の3徴候(いわゆる心臓死)と全脳の不可逆的停止(いわゆる脳死)によるものがある、と解されます。

 

〇死亡診断書と死亡検案書

戸籍法第86案第2項には、死亡届には、やむを得ない事由を除き、死亡診断書または死亡検案書を添付するよう義務付けています。記載用紙も左が死亡届、右が死亡診断書(死体検案書)と組になっています。

通常の病死あるいは老衰しなどの自然死であることが明らかな場合には、診察・治療にあたっていた医師が死亡診断書を発行します(医師法第19条)

突然死の場合や長く医者にかかっていないで死亡した場合には、病死あるいは自然死であっても医師は死亡診断書を発行できません(医師法第20条)警察の検視を経て、監察医または警察の嘱託医が検案して死亡検案書を発行します。病死あるいは自然死であってもその死因が診察・治療していない医師には明らかでないことと、自然死以外の可能性がないか調べるためです。

病死あるいは自然死以外の異状死体、あるいは犯罪の疑いのある死体の場合には、警察に届け、その検視を経て、監察医または警察の嘱託医が検案して死体検案書を発行します。

警察による検視、監察医などによる検案が必要なケースは、まとめると次のようになります。

①病死あるいは自然死であっても生前に診察・治療していた医師がいない場合

②病死あるいは自然死であるかどうか不明な場合

③指定された感染症による死、中毒死などの場合

④溺死、事故死、災害死、自殺などの非犯罪死の場合

⑤殺人、過失致死などの犯罪死あるいはその危惧がある場合

 

〇監察医制度

死体解剖保存法第8条第1項に次のようにあります。

 

政令で定める地を管轄する都道府県知事は、その地域内における伝染病、中毒又は災害により死亡した疑いのある死体その他死因の明らかでない死体について、その死因を明らかにするため監察医を置き、これに検案をさせ、又は検案によっても死因の判明しない場合には解剖させることができる。

 

そして「監察医を置くべき地域を定める政令」により東京23区、大阪市、横浜市、名古屋市、神戸市の5地区に監察医を置くことが定められています。

 

〇まず、監察医あるいは警察の嘱託医などが検案(死体を調べて検分するのでこれを検死とも言います。あくまで外見的調査によります)します。検視される遺体は全死亡者の10~15%あります。

これに対して犯罪死のおそれがあるときに行う解剖を、「司法解剖(または法医解剖)」といいます。司法解剖は年間3000~4000件行われています。行政解剖の途中で犯罪死の疑いが出て、司法解剖に移行することもあります。

診察・診断を受けていた病院、医療機関で行う解剖は「病理解剖」と言います。病理解剖には原則として遺族の同意が必要とされます。

 

〇死因

2001(平成13)年の死亡者総数は970,331人でしたが、死因別の順位は次の通りでした。これを推移で見てみましょう。(厚生労働省大臣官房統計情報部「平成13年人口動態統計年報」による)

 

〇死因別順位(2001年)

①悪性新生物     30.1%

②心疾患       14.8%

③脳血管疾患     13.2%

④肺炎         8.5%

⑤不慮の事故      3.9%

⑥自殺         2.9%

⑦老衰        2.2%

➇腎不全       1.8%

⑨肝疾患       1.6%

⑩糖尿病       1.2%

⑪高血圧性疾患    5.9%

⑫結核        2.4%

 

がん(悪性新生物)による死亡者が全体の3分の1近くにまでなっています。

 

〇葬祭業者は法的に死が確定しないと遺体を取り扱えない

葬祭業者が遺体を取り扱えるのは、法律的に死が確定した後、つまり医師が死亡を判定した時点以降です。それを証明するのが医師によって発行される死亡診断書または死体検案書です。それ以前には「遺体」の取り扱いはもちろん、「遺体」に対して何らかの処置を施すこともできません。

死亡の連絡があった場合には、必ずこのことを確認する必要があります。

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お墓(墓地)選びについて2・・お墓を持たない供養いろいろ・・

ご遺骨を納めるためには、必ずお墓が必要と思っていませんか?お墓をみてくれる継承者が いない、金銭的に厳しい、お墓に入るという概念がないなどの理由でお墓を持たない方が増え てきていますが、墓石はなくともご遺骨を納める方法はございます。また、故人を偲ぶものを 近くに置いておきたい・・・そんな願いを、ご遺骨の一部を入れる又は加工するなどの方法( 手元供養)で可能となっています。

【散骨】
ご遺骨を粉末化し海や山などに撒くことで、現在では節度ある葬送の行為であれば法に触れないとされています。しかし、遺骨を粉末化することが条件で、参加人数などにより費用も変わ
ってきます。また、ご遺骨が残らないため、親族と充分話し合っておく必要もありますね。

【樹木葬】
最近ブームになってきている葬法で、墓地の許可がある場所に遺骨を埋め、墓石の代わりに樹木を植えて墓標にします。
こちらは、自然に還ることが出来る、また継承を必要としないため核家族向きであるという理
由から、静かな人気を集めているそうです。
一坪タイプの個人樹木葬と、50cm四方の合同樹木葬があり、いずれも土に直接埋葬します。個 人の樹木が枯れてしまった場合はまた植えることができ(苗木代別)、場所によりますが35年間程管理してもらえるようです。

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手元供養品 の数々

【手元供養】
上記方法ですと、ご遺骨が手元に残らないためやはり抵抗がある方もいらっしゃるでしょう。
そこで、ご遺骨の一部を置物やペンダントに直接入れておくタイプのものや、粉砕してプレートや合成ダイヤモンドに加工するタイプのものがあります。後者では、指輪などをつくることができるため、故人を常に身近に感じることが出来るとして関心が高くなってきています。

【納骨堂】
ご遺骨を納めるための建物で、都市部や市街地近くにあるためご供養しやすいというメリットがあります。
しかし、立地面の理由から使用料が多少高額になる場合もございます。
32~35年ほどご遺骨のままで御安置可能で、その後合祀されます。
散骨や樹木葬ですとご遺骨が残りませんが、納骨堂でしたらその心配がないですね。
もちろん、手元供養品を購入しなくても、骨壷を自宅に安置しておいてもかまいません。
ご遺骨はお墓へ、という概念は薄れてきているのです。
お墓を持つか否か、持たない場合でも、様ざまな葬法でご供養ができること・・・故人様を
偲ぶ形は人それぞれ違うこと・・・心のこもったご供養がなされていくことを私たちは願って
います。

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