棺は大きく分けて寝棺(伸展葬)と座棺(屈葬)があります。

縄文時代に幼児の遺体に使用された例がある甕形(かめがた)の土器による棺は、弥生時代には大人にも使用されるようになります。古墳時代になると、木板や石板を組み合わせた棺が作られるようになり、家の形を模した陶棺や、粘土棺なども現れます。さらに、漆を使った乾漆棺なども使用されました。これらは身分の高い人のもので、寝棺が多かったようです。江戸時代ではほとんどが座棺で、多くは木製の桶型だったようです。

明治時代に入り、富裕階層が木製の寝棺を使用するようになり、どの棺を使用するかによって貧富がわかるようになります。但し、地域によっては座棺用の火葬炉しかないところもあり、そうした地域では昭和40年代頃まで座棺が使われていたようです。

戦後、火葬が一般化し、火葬炉が近代化するのに歩調を合わせるようにして寝棺が主流となり現在では座棺は姿を消しました。

 

現在、「ヒツギ」には棺と柩の2通りの表記があります。これをあえて厳密に区別すると、物としてのヒツギが棺で、遺体が納められた状態の棺を柩と書き表します。古く座棺として使用されたのは桶でした。ハヤオケ(早桶、死ぬと急いで作られることからこう呼ばれた)やフネ(舟・船)も棺を指す語として使われました。また、昔は「龕」(がん)という表現も用いました。「龕」は棺のことを表すだけでなく、棺を納める輿を意味することもあります。英語では棺はコフィンcoffinです。現代の米国で使用されている棺はキャスケットcasketと言われます。キャスケットは「宝石の小箱」「貴重品入れ」から転じた言葉で土葬用の装飾された立派な棺のことを表します。木棺だけでなく大理石製など多様なキャスケットがあります。

 

〇棺の種類

棺には大きく分けて、①天然木棺、②フラッシュ棺、③布張棺、の3種類があります。

➊天然木棺

マキ、モミ、ヒノキなどの天然木を用いた、最高級とされる棺です。中でもヒノキの天然木棺が最高級と言われます。

❷フラッシュ棺

「フラッシュ」は「偽物の」という意味で、外からは天然木に見えても、中が空洞になった木棺を言います。軽量なために現在はこれが主流になっています。ベニヤ材を上下に2枚、間にそれらを支える芯材を枠組みして張り合わせます。

仕上げ方法により、さらに①突板張、②プリント合板、に分かれます。

①突板張棺

本物の天然木をスライスして薄くしたものをベニヤに張り付けて作ります。表面は確かに本物の高級木材を使用していますが、中はベニヤと空洞です。表面に貼る天然木にはさまざまな木材が使われますが、キリの突板張棺が主流になっています。中級品です。

②プリント合板棺

薄い洋紙に木目と色を本物そっくりに印刷し、それをベニヤの表面に張り付けた棺で、印刷技術の発達によってうまれました。印刷ですからバリエーションに富んだ品物を作ることができます。プリント合板の棺は最も安価ですが、中には突板張棺よりも高価なものもあり、普及品から中級品まで揃っています。

❸布張棺

フラッシュ棺の表面に布を貼ったものです。古くからある布張棺としては、キリスト教葬儀で用いる俗称「キリスト棺」、十字架の刺繍がある黒布で包まれた舟型の棺が有名です。 布張棺はファッション感覚に優れているとして特に故人が女性の場合に好まれています。また、さらに布張棺の上級品としてビロード張りのビロード棺があります。この他にごく少量ですが、段ボール棺も使用されています。

〇彫刻棺、インロー棺など

表面に彫刻が施された彫刻棺には、二面彫刻~五面彫刻、さらに機械彫りか手彫りかの区別があります。蓋に対面用の窓がついた棺、また、エンバ―ミング処置した遺体をよく見せるため、蓋の半分を外して透明なプラスティックの覆いをつけた棺などもあります。蓋部分に丸みをもたせた棺は、その形状から「R棺」と名付けられており、その他にも、本体と蓋の組み合わせを印籠にならった「インロー棺」など多彩な棺があります。

 

棺の納品形態には、材料を納品してもらって葬祭業者が組み立てる場合と、組みあがった状態で納品される場合の2つがあります。材料だけを納品してもらう場合は、多量に運搬できるというメリットがあり、通常フラッシュ棺で使用される方法です。

 

棺のサイズは、大きく、成人用と「子供棺」といわれる子供用のものとに分かれます。一応の標準は、外寸が長さ180㎝(165㎝~197㎝)×幅48㎝(43㎝~62㎝)×高さ41㎝(35㎝~50㎝)ですが、メーカーによって必ずしも統一されていません。また、火葬炉の大きさの制約を受けることもあります。

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誰もが最期に納まる二つ・・・柩と骨壷

今日の日本ではほとんどの地域で火葬が行われるため、適した柩に故人様をお納めします。また、散骨する以外は骨壷に遺骨もお納めし、お墓へと納骨致します。近年は様々な種類の柩や骨壷があり、ご要望もそれぞれです。ご自身が最期に納まる二つ・・・ご参考までにご紹介致します。

ep23_01a【棺の種類と材質】
●合板製のフラッシュ
一般的な柩になります。薄いラワン合板の間に芯材を入れて貼り合わせたものでその表面に天然木(桐が主流)を薄くスライスしたものを貼った突板貼り合板棺と布を貼った布張り棺があります。

●棺の外観と内装
彫刻を施した総彫刻、五面彫刻、三面彫刻、二面彫刻などの彫刻棺もあります。内側は白のポリエステル地が主であるが、レース等の装飾により高価なものもあります。

●骨壷の種類と材質
陶磁器・・・陶器は四日市市、常滑市、土焼きでは栃木県の益子町が有名。
磁器製品・・・愛知県瀬戸市のものが多く使われており、またその他有名陶芸家による壷形・
瓶形骨壷もあります。さらに台湾製の大理石の骨壷などもありますが、重量も相当です。

ep23_05東日本では通常残った遺骨は全て骨壷にお納めしますが、西日本では主要な部分のみをお納めし、ほとんどの部分は廃棄されるので骨壷の大きさは半分くらいという慣習の違いもあります。

お好きな棺や骨壷を決めておくのも、残された者への精神的遺産として大きな意味がある事かもしれませんね。